施設で暮らす高齢者に秋祭りの雰囲気を楽しんでもらおうとNPO法人「ボランティア神輿(みこし)の会」(平野昌弘理事長、愛媛県松山市)が敬老の日の21日、松前町鶴吉の特別養護老人ホーム鶴寿荘を訪れ、利用者を乗せて秋晴れの空に向けてみこしを差し上げた。いきいきとした表情の高齢者の周りで、職員や家族にも笑顔が広がった。
 市内の有志でつくる同会は、約22年前から県内の高齢者や障害者の福祉施設などを年間15カ所ほど巡っている。会によると、鶴寿荘の訪問は約13年前から続けている。
 21日は鶴寿荘の玄関前広場に、施設利用者や家族ら約130人が集まった。88~105歳の男女計15人は紫色の法被を羽織り、職員に支えられて車いすから降りて順番にみこしの上へ。かき手が「よいさ、よいさ」の掛け声で盛り上げると、高齢者は顔をほころばせ、周囲の声援に手を振って応えた。